マレーシアで働きたい!マイペースでビジネスを始める選択肢
マレーシアに教育移住した方や、これから子どもの国際教育を視野に入れて移住を検討している方の中には、現地でキャリアを継続したいという思いを持つ方が多くいらっしゃいます。現地企業や日系企業に就職する道もありますが、自分のペースで働きたい、日本での経験を活かしたビジネスを立ち上げたいと考える日本人が増えています。
今回は、マレーシアで日本人が設立できる現実的な会社形態「Sdn. Bhd.(センダン・ブハッド)」について詳しく解説します。
こんにちは、Jakeです。
私自身、マレーシアで起業したいと考えていました。日本と違う慣習の中でビジネスをするには、まずは知るということが必要です。現地に住んでみてから、起業を考えようと思い、デジタルノマドビザを取得しました。
教育移住を選んだ、これから目指す皆さんには、子育てと両立しながら自分らしく働ける環境を整えてほしいと思います。そして、何よりもビジネスで成功することが大切です。この記事ではマレーシアでの新しい一歩を後押しする、起業についての情報をお届けします。
起業の会社形態
Sdn. Bhd.(Sendirian Berhad)は、マレーシアの有限責任会社(Private Limited Company)のことで、日本の「株式会社」に相当します。個人事業ではなく法人として活動するため、ビジネスの信頼性が高く、外国人である私たち日本人でも設立が可能です。
Sdn. Bhd.の主な特徴
マレーシアの有限責任会社には、以下のような特徴があります。
- 有限責任制
- 会社の負債は会社の資産に限定され、個人資産は保護されます。日本から移住して新しい環境でビジネスを始める際、このリスク管理は非常に重要です。
- 外国人100%所有可能
- 一部の規制業種(メディア、法律サービスなど)を除き、日本人だけで会社を設立・所有することが可能です。これは教育関連ビジネスや輸出入業、コンサルティングなどを検討している方にとって大きなメリットです。
- 法人銀行口座の開設
- 法人名義の銀行口座を開設でき、事業資金と個人資産を明確に分けた管理ができます。国際送金も法人として行えるため、日本との取引がある場合も安心です。
- 納税義務と会計報告
- 法人税が発生し、定期的な会計報告の義務があります。マレーシアの法人税率は日本より低いケースが多く、適切な会計管理を行うことで税制上のメリットも得られます。
- ローカルダイレクターの要件
- 少なくとも1名の現地在住者(マレーシア人または長期ビザ保有者)を取締役にする必要があります。これは日本人だけで会社を始める際の重要なポイントとなります。
Sdn. Bhd.の設立手順
マレーシアでSdn. Bhd.を設立するための一般的なステップを詳しく見ていきましょう。
まず会社名の候補を決め、マレーシア会社委員会(SSM: Suruhanjaya Syarikat Malaysia)に申請します。この段階で他社と名前が重複していないか確認され、承認を得ることができます。日本語の社名をローマ字表記したものや、英語の社名も可能です。
会社名が承認されたら、実際の設立手続きに入ります。
取締役・株主の決定
最低1名の取締役(現地在住者)と株主を決定します。マレーシアに教育移住した場合、MM2Hビザやデジタルノマドビザ(DE Rantau)、配偶者ビザ(DP)を持っていれば、自身が現地在住の取締役となることも可能です。そうでない場合は、信頼できるマレーシア人パートナーや長期ビザ保有者を見つける必要があります。
定款(M&A: Memorandum & Articles of Association)の作成
会社の目的や事業内容、内部規則などを定めた定款を作成します。教育関連事業を行う場合は、その旨を明記しておくことが重要です。
資本金の設定
最低資本金はRM1,000(約3万円)からですが、実際のビジネス運営やビザ取得を考えると、RM50,000(約150万円)以上が推奨されます。特に教育関連ビジネスや国際的な取引を行う場合は、十分な資本金を用意しておくと信頼性も高まります。
登録書類をSSMに提出
必要書類を整えてSSMに提出します。書類作成から提出までは、専門の会社設立代行業者に依頼するのが一般的です。
設立費用
約RM2,000~RM5,000(約6万円~15万円)かかります。代行業者を利用する場合は追加費用が発生しますが、言語の壁や複雑な手続きを考えると、特に初めての場合はエージェントの利用をお勧めします。
会社設立完了後、マレーシアの銀行で法人銀行口座を開設します。
必要書類
会社設立証明書、取締役のパスポート、取締役会議議事録などが必要となります。銀行によって要求される書類は若干異なります。
初回入金額
銀行によって異なりますが、RM1,000~RM10,000(約3万円~30万円)が一般的です。開業初期に多くの設備投資が必要な場合は、それに見合った資金を用意しておきましょう。
業種によっては追加のライセンスが必要となります。例えば、飲食業(HALAL認証など)、輸出入業(特定商品のライセンス)なども追加の許可が必要です。
税務登録(LHDN)
マレーシア国税庁(Lembaga Hasil Dalam Negeri)に法人税(所得税)の登録を行います。
GST/SST登録
売上がRM500,000以上になると義務化されるサービス・売上税(SST)の登録も必要になる場合があります。
会計処理の体制
マレーシアでは、会社の規模にかかわらず年次監査が義務付けられています。信頼できる会計士や監査法人との契約を早めに結んでおくことが重要です。特に日本語対応可能な会計事務所を見つけておくと安心です。
Sdn. Bhd.設立の注意点
取締役の要件
外国人のみで設立する場合、最低1名の「現地在住者」が取締役として必要になります。これは以下のいずれかに該当する方でなければなりません。
- 長期ビザ保有者
- MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)、デジタルノマドビザ(DE Rantau)、プレミアムビザプログラム(PVIP)、配偶者ビザ(DP)などの長期ビザを持っている場合は、自身が取締役になることができます。教育移住で家族としてマレーシアに来ている方は、これらのビザを取得していることが多いでしょう。ガーディアンビザはSSMや税務署(LHDN)へ確認してからの方がいいです。
- 就労ビザ(Employment Pass)保有者
- すでに他の会社から就労ビザを取得している場合も該当します。ただし、複数の会社での就労に関しては制限がある場合があるので注意が必要です。
- マレーシア人
- 信頼できるマレーシア人パートナーがいる場合は、その方に取締役になってもらうことも可能です。ただし、会社の重要な意思決定権を持つことになるため、信頼関係が重要です。

最近よく聞くのは美容系とヨガ・ピラティス。私も日本でバランスボールを使った体力メンテナンス、産後ケアをしていたので、マレーシアやりたい。でもガーディアンビザだと難しそう。



不当に報酬を得ているのを密告されて、日本に強制送還になった話は何度も聞くよ。子どもが一番の被害者だから、安易にやらない方がいいよ。
役員報酬と配当の受け取り
取締役としての報酬や配当について、ビザの種類によって制限があります。
- 役員報酬を受け取れるビザ
- EP(Employment Pass)、PVIP(プレミアムビザプログラム)。これらのビザ保持者は、会社から給与として報酬を受け取ることができます。
- 配当のみ受け取れるビザ
- MM2H、DE Rantau(デジタルノマドビザ)、DP(配偶者ビザ)。これらのビザ保持者は、取締役として役員報酬を受け取ることはできませんが、株主として配当を受け取ることは可能です。



配偶者がEPを持っていて本人はDPビザという場合、会社の利益を配当として受け取る形が基本となります。
資本金とビザの関係
EP(Employment Pass)を取得するためには、資本金RM500,000以上(約1,500万円)が必要です。ただし、業種によって異なります。
長期的にビジネスを運営し、自身で就労ビザを取得したい場合は、最初から十分な資本金を設定するのが望ましいでしょう。また、銀行融資や取引先との契約においても、資本金の額は会社の信頼性を示す重要な指標となります。



EP(Employment Pass)は、法人設立をすれば取得できるわけではないです。年々EPの条件が厳しくなっているようです。過去の実績や資本金がとても重要です。
税務と会計の管理
マレーシアの会社経営では、税務と会計の適切な管理が非常に重要です。
- 年次決算報告・監査義務
- Sdn. Bhd.は毎年の決算報告と監査が義務付けられています。期限内に提出しない場合、罰金が発生する可能性があります。
- 会計士の雇用
- 日本語対応可能な専門の会計士を雇い、税務申告を正確に行うことをお勧めします。特にクアラルンプールやペナンなどの都市部には、日系企業向けのサービスを提供する会計事務所があります。
- 法人税の優遇措置
- マレーシアの法人税率は一般的に24%ですが、新設企業や特定の業種には一部優遇措置があります。
事業ライセンスの確認
業種によって必要なライセンスが異なるため、事前の確認が重要です。
- ライセンス不要の業種
- 一般的なコンサルティング業、ITサービス、オンラインビジネスなどはライセンス不要の場合が多いです。
- 追加ライセンスが必要な業種
- 飲食業、小売業、輸出入業などは追加ライセンスが必要です。
まとめ:Sdn. Bhd.で成功するために!
マレーシアで日本人が会社を設立する場合、Sdn. Bhd.が唯一の現実的な選択肢です。マレーシアは多民族国家であり、日本人コミュニティも活発。マレーシアで成功するにはローカル向けが重要だと思います。事業内容に適した資本金設定や取締役の選定、税務管理をしっかり行うことで、スムーズにビジネスを展開できますよ。



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