IB(国際バカロレア)インターナショナルスクールってどんな特徴があるの?
「IBって聞いたことはあるけど、よく分からない」という方から、「IB教育に興味があるけど、もっと詳しく知りたい」という方まで、この記事を読めば、IBの基礎知識からカリキュラムの特徴まで、しっかりと理解できるます!
こんにちは!Jakeです。
今回は、マレーシアでの教育移住を検討されている方々に向けて、近年注目を集めている「IB(国際バカロレア)」について徹底解説します。Jakeの息子はIBの学校に通っています!
なぜ今、IB(国際バカロレア)が注目されているのか?
IB(国際バカロレア)は、1968年にスイスで設立された国際的な教育機関であり、その教育プログラムは世界中で広く認められています。
なぜ今、IBがこんなにも注目されているのでしょうか?
IBって何?どんな歴史があるの?
IB(国際バカロレア)は、1968年にスイスで誕生した、世界中で認められている教育プログラムのことです。実はこれ、第二次世界大戦が終わって間もない頃、「世界がもっと平和になるためには、みんながお互いを理解し合うことが大切だ!」という思いから生まれたんです。
特に、海外を転々と移動する外交官のお子さんたちが、どの国に行っても質の高い教育を受け続けられるように、ということが大きな目的の一つでした。
当時の教育制度は国によってバラバラで、転勤が多いご家庭では、お子さんがその都度、違う教育環境に慣れる必要がありました。そこで、「世界共通の教育プログラムがあれば、子どもたちの負担が減るんじゃないか」と考えた人たちが、IBを作り上げたというわけです。
IBは、単に知識を詰め込むのではなく、「国際的な視点を持って、多様な文化を尊重し、自分で考えて行動できる人」を育てることを目指しています。なんだか、とても共感できる理念ですよね。
IBが世界的に評価されているのはなぜ?
IBの教育プログラムは、その質の高さと、国際的な通用性から、世界中の多くの大学や教育機関から高く評価されています。IBの資格を持っていると、海外の大学にも進学しやすいため、お子さんの将来の選択肢を広げたいと考えている方には、とても魅力的な教育プログラムと言えるでしょう。
なぜ今、IBが注目されているの?
今の社会は、グローバル化がますます進み、多様な価値観が共存する時代になっています。また、技術革新も急速に進んでおり、社会の変化も激しいですよね。そんな時代だからこそ、IB教育は、グローバルな視点を持つだけでなく、変化に対応できる力、つまり「未来を生き抜く力」を育むために、とても重要な役割を担っていると考えられています。
IB教育は何を目指しているの?
IB教育は、知識を詰め込むだけでなく、お子さんの「なぜだろう?」という探究心を大切にし、自分で答えを見つけ出す力を養います。また、批判的思考力や創造性、コミュニケーション能力など、これからの時代を生きる上で必要なスキルを身につけることを目指しています。さらに、国際的な視野を持ち、多様な文化を尊重する姿勢も育んでくれる、そんな教育プログラムなんです。
これらの理由から、IB教育は今、世界中で注目されていると言えるでしょう。

知識を詰め込む日本式と違って、探究心を養い、自分で考えてクラスメイトと話し合っていくというのがベースになっているんだよね。



PYPの授業はほとんど教科書がないよ。工作してからだのしくみをおぼえたり、授業は楽しい!今はSDGsの課題や解決のプレゼンを友だちとCanvaで作ってるよ。
初心者でもわかるIBカリキュラムの基礎知識
ここからはIBのカリキュラムについて、詳しく見ていきましょう。IBのカリキュラムは、年齢や発達段階に合わせて、4つのプログラムに分かれています。
- PYP (Primary Years Programme): 3歳〜11歳 (幼稚園・小学校相当)
- MYP (Middle Years Programme): 11歳〜16歳 (中学校相当)
- DP (Diploma Programme): 16歳〜19歳 (高校相当)
- CP (Career-related Programme): 16歳〜19歳 (職業教育)
PYP (Primary Years Programme)
3歳から11歳までのお子さんを対象としたプログラムで、「探究」を中心とした学習を行います。子どもたちが、自分の興味や関心に基づいて学びを深めていくのが特徴です。
- 特徴
- 探究型の学習:子どもたちが「なぜ?」「どうして?」と自ら問いを立て、答えを探していくプロセスを大切にします
- 概念に基づいた学習:教科を横断的に学び、物事の本質を理解する
- 子ども主体の学習:子どもたちの興味関心を尊重し、学習意欲を引き出す
- 全人的な成長:知識だけでなく、社会性や感情、身体的な発達も重視
- 学習内容
- 言語、数学、社会、科学、芸術、体育など、幅広い分野
MYP (Middle Years Programme)
11歳から16歳までのお子さんを対象としたプログラムで、PYPで身につけたスキルをさらに発展させ、DPへの準備段階となります。教科を横断的に学び、実社会とのつながりを意識しながら学習を進めていきます。
- 特徴
- 教科横断的な学習:異なる教科を関連付け、実社会とのつながりを意識
- 概念的な理解:抽象的な概念を理解し、応用する力を養う
- 自己探求:自分で学習目標を設定し、自己評価を行うことを重視
- サービス学習:地域社会や世界に貢献する活動に取り組む
- 学習内容
- 言語と文学、言語習得、人文科学、数学、科学、芸術、デザイン、体育など、幅広い分野
DP (Diploma Programme)
16歳から19歳までのお子さんを対象としたプログラムで、大学進学を目指す生徒のための高度な学習プログラムです。
- 特徴
- 高度な学習内容:大学レベルの学習内容を先取り
- 幅広い知識:6つの教科グループから科目を選択し、幅広い知識を身につける
- 論理的思考力、批判的思考力を養う:自分で考え、問題を解決する能力を養う
- 自己管理能力:自分で学習計画を立て、実行する能力を養う
- 課題論文:研究テーマを選び、論文を執筆する力を養う
- コア科目:知識の理論(TOK)、課題論文(EE)、創造性・活動・奉仕(CAS)
- 学習内容
- グループ1:言語と文学
- グループ2:言語習得
- グループ3:個人と社会
- グループ4:科学
- グループ5:数学
- グループ6:芸術
CP (Career-related Programme)
16歳から19歳までのお子さんを対象としたプログラムで、キャリア志向の生徒のための職業教育プログラムです。
- 特徴
- 職業教育とIB教育を組み合わせたプログラム
- 専門的な知識、スキルを習得できる
- 実社会での実践的な経験を重視
- 大学進学だけでなく、就職も視野に入れている生徒におすすめ
- 学習内容
- キャリアに関連する分野を学習
IBの学習アプローチ
IB教育では、以下の3つの学習アプローチを重視しています。
- 探究型学習:生徒が自ら問いを立て、答えを探していくプロセスを重視
- 概念に基づいた学習:様々な教科を横断的に学び、概念的な理解を深める
- 行動と省察:学習内容を振り返り、自分の成長を認識し、次のステップにつなげる
IBの評価方法
IB(国際バカロレア)の評価は、単にテストの点数だけを見るのではなく、生徒の学習過程と成果を総合的に判断する点が特徴です。評価は、学習プロセスを評価する「形成的評価」と、学習成果を評価する「総括的評価」の2つの側面から行われます。これらの評価方法は、IBのすべてのプログラム(PYP、 MYP、 DP、 CP)で用いられます。ただし、評価の具体的な方法や比重は、各プログラムの学習目標や年齢によって異なります。
形成的評価 (Formative Assessment)
形成的評価は、学習の途中で行われる評価です。生徒がどこまで理解しているか、どのような課題を抱えているか、を把握し、今後の学習を改善するためのフィードバックを提供することを目的としています。
特徴
- 学習過程を重視
- テストの結果だけでなく、授業中の発言、グループワークでの貢献度、課題の取り組み方など、学習プロセス全体を評価します。
- フィードバックを重視
- 教師は生徒に、具体的なフィードバックを提供し、生徒が自分の強みと弱みを理解し、改善につなげられるようにサポートします。
- 柔軟性
- 評価方法や時期は、教師が学習内容や生徒の状況に合わせて柔軟に調整します。
評価方法の例
- 授業中の質問、ディスカッション
- 小テスト、クイズ
- ポートフォリオ(作品集)
- 自己評価、相互評価
- 課題の提出、プレゼンテーション
- ワークシート、日記
総括的評価 (Summative Assessment)
総括的評価は、学習の最後に、生徒がどれだけ学習目標を達成できたかを評価するためのものです。テストやレポートなど、明確な基準に基づいて評価を行います。
特徴
- 学習成果を重視
- 知識の定着度、スキルの習得度、理解度などを測ります。
- 基準に基づいた評価
- あらかじめ定められた評価基準に基づいて、公平に評価を行います。
- 認定試験
- IBDP(Diploma Programme)では、IB機構による認定試験が行われ、世界共通の基準で評価されます。
評価方法の例
- 筆記試験(選択式問題、記述式問題)
- 実技試験(実験、パフォーマンス)
- 課題論文(DPのExtended Essay)
- ポートフォリオ(作品集)
- プレゼンテーション
- コースワーク(課題研究)
- 口頭試験
IBDP(Diploma Programme)の評価
IBDP(Diploma Programme)の評価は、他のプログラムとは異なり、外部評価と内部評価を組み合わせた、より厳格な評価システムを採用しています。
- 外部評価 (External Assessment)
- IB機構が実施する筆記試験や実技試験などです。
- 世界共通の基準で評価され、生徒の最終的な成績に大きく影響します。
- 内部評価 (Internal Assessment)
- 学校の教師が評価するポートフォリオ、プレゼンテーション、コースワークなどです。
- IB機構の基準に基づいて評価され、外部評価の成績と合わせて総合的な評価が決定します。
IBカリキュラムのメリットとデメリット
メリット
- 国際的な視野を養える
- 多様な文化を持つ生徒が集まる環境で学ぶことで、国際的な視野を養うことができます。
- 厳格なカリキュラムと評価基準により、国際的に通用する高い学力を身につけることができます。
- 主体的な学習姿勢が身につく
- 自分で問いを立て、答えを探していく探究型学習を通して、主体的な学習姿勢を身につけることができます。
- 探究心、批判的思考力を養える
- 知識を暗記するだけでなく、自分で考え、問題を解決する能力を養います。
- 大学での学習に必要なスキルを習得できる
- 論文執筆、プレゼンテーション、グループワークなど、大学での学習に必要なスキルを身につけることができます。
- 多文化理解力、コミュニケーション能力が向上する
- 多様な価値観を持つ人々との交流を通じて、多文化理解力、コミュニケーション能力を高めることができます。
- 国際色豊かな環境で学ぶことで、多様な文化や価値観を理解することができます。
デメリット
- 学習量が多い
- IBカリキュラムは、学習量が多く、自主的な学習習慣が求められます。
- 自律的な学習能力が求められる
- 受動的な学習ではなく、自分で考えて行動する自律的な学習能力が必要です。
- 学校によって教育の質にばらつきがある
- IB認定校でも、学校によって教育の質にばらつきがある場合があります。
- 日本国内の大学への進学に不利になる場合もある
- 日本の大学では、IBの評価を十分に理解していない場合があり、進学に不利になる可能性もあります。
マレーシアにおけるIB教育の現状
マレーシアでは、IB認定校が増えており、IB教育への関心が高まっています。
マレーシアのIB認定校
現在、マレーシアには、PYP(Primary Years Programme)、MYP(Middle Years Programme)、DP(Diploma Programme)のいずれか、または複数のプログラムを提供するIB認定校が多数存在しています。これらの学校は、主にクアラルンプール首都圏、ペナン島、ジョホールバルなどの都市部に集中していますが、近年では、地方都市でもIB教育を提供する学校が増えつつあります。
学校数が増えるにつれて、各学校の特色も多様化しており、教育方針やカリキュラム、学校の規模、施設設備、学費などが異なります。そのため、学校選びの際には、各学校の情報を十分に比較検討することが重要です。
マレーシアでIBを選ぶメリット
- 国際的な環境で多様な文化に触れながら学習できる
- マレーシアは多民族国家であり、多様な文化に触れながら学習することができます。インターナショナルスクールには、様々な国籍の生徒が在籍しており、国際的な視野を養うのに最適な環境です。
- 英語で学習できる
- ほとんどのIB認定校では、授業が英語で行われるため、英語力の向上につながります。
- 比較的低い生活費でIB教育を受けられる
- 欧米諸国に比べて、マレーシアは生活費が比較的安いため、経済的な負担を抑えながら質の高いIB教育を受けることができます。
- 欧米諸国に比べて学費が安い
- 同じIBプログラムを提供している学校でも、欧米諸国に比べると学費が比較的安い傾向があります。
- 大学進学の選択肢が広がる
- IBの資格は、世界中の大学で認められているため、大学進学の選択肢が広がります。
日本におけるIBスクールの現状
近年、日本でもIB(国際バカロレア)の認定校が増えてきています。これは、グローバル人材育成への関心の高まりや、大学入試改革でIBの評価が高まったことなどが背景にあります。また、「海外の大学に進学させたい」というニーズも高まっており、日本でもIB教育が注目されているというわけですね。
日本のIB認定校は、インターナショナルスクールだけでなく、学校教育法で定められた一条校でも導入が進んでいます。これにより、より多くの学生がIB教育を受けられるようになっています。ただし、IB教育の質や教育体制は、学校によってばらつきがあるのが現状です。今後、日本国内でもIB教育がさらに広まっていくことが期待されますが、課題も残されていると言えるでしょう。
まとめと後編の予告
IB(国際バカロレア)の基礎知識とカリキュラムについて解説しました。IB教育の概要、4つのプログラム、学習アプローチ、評価方法、メリット・デメリットについて、ご参考にしていただければと思います。
後編では、さらに詳しく、記事では、マレーシアのIB認定校一覧、学校選びの具体的なポイント、IB教育の進学事例について、さらに詳しく解説していきます。
後編へつづく >



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